2019年6月19日 14:46
最新安全技術を搭載した日野の最新トラック・バスを試す!
日野自動車は6月14日、同社・羽村工場内のお客様テクニカルセンターとテストコースで報道向け「最新安全技術試乗会」を開催した。日野が今年発売した、あるいは今年発売する最新のトラック・バスに搭載される最新安全技術を同乗試乗などを通じて体験してもらおうというもので、紹介された安全技術は「サイトアラウンドモニターシステム」「ドライバーモニターⅡ」「前進誤発進抑制機能」「低速衝突被害軽減機能」「クリアランスソナー」「ドライバー異常時対応システム:EDSS(自動検知式)」の6つ。試乗車は大型トラック「日野プロフィア」、小型トラック「日野デュトロ」、大型観光バス「日野セレガ」の3台だった。

2019年モデルに搭載される最新安全技術の内訳は、4月1日発売の日野プロフィアが「サイトアラウンドモニターシステム」「ドライバーモニターⅡ」、5月6日発売の日野レンジャー(中型トラック)が「ドライバーモニターⅡ」、5月7日発売の日野デュトロが「前進誤発進抑制機能」「低速衝突被害軽減機能」「クリアランスソナー」、7月1日発売の日野セレガが「EDSS(自動検知式)」「ドライバーモニターⅡ」となっている。このうち日野セレガに搭載される「EDSS(自動検知式)」は商用車世界初となる。

日野は2018年10月公表の経営計画「Challenge2025」の中で2020年代に高速道路での死亡事故ゼロ、2030年代に一般道での死亡事故ゼロを実現することを掲げており、開発した安全技術の速やかな市場投入と積極的な標準装備化を進めている。今回の試乗会は、そんな日野の2019年モデルに搭載される最新安全技術を体験する貴重な機会となった。



■最新AI技術の採用で顔の検出性能が向上した「ドライバーモニターⅡ」

日野プロフィア、日野レンジャー、日野セレガの2019年モデルに搭載される「ドライバーモニターⅡ」は、2009年に登場した「ドライバーモニター」の進化版。顔特徴点検出の特徴点を増やして高精度化を図るとともに、新たに最新AI技術を用いた顔認識技術を採用し、顔の検出性能を向上。また、運転姿勢崩れが可能になり、マスクやサングラス着用時の検知も可能になっている。なお、運転姿勢崩れを検知するためモニターカメラの搭載位置が変更された。試乗車の日野プロフィアはピラーに、日野セレガはダッシュボード中央部にそれぞれ搭載されていた。常時モニタリングしており、ドライバーの脇見・居眠りや健康異常を検知した場合はメータークラスター内のマルチインフォメーションディスプレイの表示と警報音による注意喚起が行なわれる。

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(左)日野プロフィア2019年モデルの運転席。「ドライバーモニターⅡ」のモニターカメラ位置は、運転姿勢崩れを検知しやすくするため、従来のメータークラスター上部からピラーに移設された。ミラーの手前側の黒い部分がモニターカメラ。(右)実車を使った「ドライバーモニターⅡ」のデモンストレーション。左側のモニターが運転席、右側のモニターがメータークラスター内を映している。ドライバーが脇見をすると、システムが検知して警報音とともにマルチインフォメーションディスプレイ内に警告が表示される。



■ドライバーが倒れても自動停止する商用車世界初の「EDSS(自動検知式)」

日野セレガ2019年モデルに搭載される「ドライバー異常時対応システム:EDSS(自動検知式)」は、2018年モデルに搭載されたEDSSの進化版となる。EDSSはドライバーに何らかの健康異常が発生した際に車両を安全に緊急停止させるシステム。主に高速道路走行中を想定している。2018年モデルと2019年モデルで大きく違うのは、2018年モデルのEDSSはドライバーに健康異常が発生した場合、乗客もしくは乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで緊急停止させていたのに対し、2019年モデルのEDSS(自動検知式)はその名の通りドライバーの健康異常を車両側が自動検知して緊急停止を行なうという点。システムは60km/hで走行中、ドライバーモニターⅡがまぶたの開閉状態や運転姿勢崩れなどの異常を検知し、なおかつ車線逸脱警報が鳴っているのに復帰操作しない(フラフラ運転し続けている)状態で作動。車内は非常ブザーと赤色フラッシャーの点滅を行ない、車外はホーンを鳴らし、ストップランプとハザードランプを点滅させながら徐々に減速し停車する。

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商用車世界初の「EDSS(自動検知式)」を搭載した日野セレガ2019年モデル。EDSS(自動検知式)はドライバーモニターⅡと連動しドライバーの健康異常を自動検知し、車両を安全に停止させる。同乗試乗では従来の手動スイッチと自動検知の両方を体験。自動検知ではドライバーが意識を失い、ハンドルがふらついて車線逸脱警報が鳴っても反応がない場合、システムが作動して車両をゆっくり停止させる一連の流れを体験できた。



■出会い頭事故の低減が期待できる「サイトアラウンドモニターシステム」

日野プロフィア2019年モデルに搭載される「サイトアラウンドモニターシステム」は前側方からの移動物をミリ波レーダーで検知。警報音とマルチインフォメーションディスプレイ内の警告表示でドライバーに警報を行ない、一般道での出会い頭事故低減に貢献するシステム。専用のミリ波レーダーユニットがフロントバンパーの左右に各1基ずつ搭載され、接近するクルマや自転車を検知すると警報音とマルチインフォメーションディスプレイ表示で注意を促す。検知範囲は約10mという。

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「サイトアラウンドモニターシステム」を搭載した日野プロフィア2019年モデル。撮影用展示車両は昨日6月18日発売の日野プロフィア・ハイブリッドのFW系4軸低床シャシーのショートキャブ・スーパーハイルーフという仕様だった。

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フロントバンパー両側のステップ部に搭載されるサイトアラウンドモニターシステム用のミリ波レーダー。取付角度は約50度という。

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サイトアラウンドモニターシステムは前側方からの移動物をミリ波レーダーで検知。接近するクルマや自転車があれば警報音とディスプレイ表示でドライバーに警報を発す。一般道での出会い頭事故低減に貢献するもので、住宅街や市街地などの狭い路地から出てくる場面が多い中型・小型トラックへの搭載も期待したい。





■踏み間違いによる衝突回避を支援する「前進誤発進抑制機能」
■低速走行時の衝突被害を軽減する「低速衝突被害軽減機能」
■狭い場所での接触回避を支援する「クリアランスソナー」

日野デュトロ2019年モデルに搭載される「前進誤発進抑制機能」はギアの入れ間違いやアクセル・ブレーキの踏み間違いによる前方障害物(壁など)との衝突回避を支援するシステム。また、「低速衝突被害軽減機能」は10km/h以下の低速走行時の前方障害物との衝突回避を支援するシステム。どちらも衝突の可能性があると警報音とマルチインフォメーションディスプレイの表示で接近警報を発し、衝突の可能性が大きい場合はエンジンのトルクカット制御とブレーキ制御で衝突回避を支援する。なお、プリクラッシュセーフティ(PCS)がカメラとミリ波レーダーを用いるのに対し、上記2機能は後述のクリアランスソナーを用いて障害物を検知する。機能的に似ているが、内容は別モノだ。いっぽう、「クリアランスソナー」は乗用車のものと基本的に同じもの。警報音とマルチインフォメーションディスプレイの表示により、狭い場所に駐車するシーンなどで接触回避を支援する。警報音は断続音から始まり、障害物に近づくほど連続音に変化する。ソナーはフロントグリルとフロントバンパーの左右に2個ずつ搭載される(合計4個)。 

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「前進誤発進抑制機能」「低速衝突被害軽減機能」「クリアランスソナー」という3つの最新安全技術を搭載した日野デュトロ2019年モデルは、全車にLEDヘッドランプを標準装備するなど外観デザインも変更されている。

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「前進誤発進抑制機能」はギア入れ間違い時やアクセル・ブレーキ踏み間違い時の前方障害物との衝突回避を支援。「低速衝突被害軽減機能」は10km/h以下走行時やクリープ走行時の前方障害物との衝突回避を支援。衝突の可能性があれば接近警報を発し、衝突の可能性が大きい場合はエンジンのトルクカット制御とブレーキ制御で衝突回避を支援する。ソナーを用いるため店舗のガラス張りの外壁も検知可能だ。

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「クリアランスソナー」は狭い場所に駐車する時に前方の接触回避を支援する。警報音とともに行なわれるディスプレイ表示は前方4段階、前側方3段階のレベルがあり、警報音は前方障害物との距離が近づくに連れて断続音から連続音に変化する。ソナーはフロントグリルとフロントバンパーに合計4個搭載されている。







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