2017年4月18日 13:24
長野潤一のトラッカーズアイ 新型クオン発表会編
UDトラックスの新型「Quon(クオン)」発表会をレポート

UDトラックスの大型トラック「Quon(クオン)」の新型車発表会が、4月11日、埼玉県上尾市のUDトラックス本社オーディトリウムで行なわれた。2004年以来、13年ぶりのフルモデルチェンジとなる。2007年からボルボ・グループの一員となった同社の発表会は、英語での説明や同時通訳もある国際色の強いものだった。

新型クオンは、トラックに求められる5つの要素として「運転性能」「燃費・環境性能」「安全性」「生産性」「稼働率」を追求した。生産現場からの声も設計にフィードバックし、取り入れたという。

AB8I0058.JPG


発表会の中で最も印象的だったのは、岸伸彦ブランド&シニアバイスプレジデントの言葉。「トラックは一口に100万km走る、というふうに言いますが、その100万kmには必ずドライバーさんが運転席にいて、トラックを運転しています。ドライバーさんが長くいる空間として、また、ドライバーさんとトラックとのインターフェイスとしてコクピットを造り込みました」。同氏は長距離の運行のことを「航海」とも呼ぶほどドライバーの業務を熟知。これほどドライバーの視点に立ったメーカー開発者は、あまり見たことがない。実車に乗るのが楽しみだ。

AB8I9922.jpg
発表会で新型クオンの解説を行なう岸伸彦ブランド&シニアバイスプレジデント


午前の発表会に引き続き、午後は同社工場内のUDエクスペリエンス・センター(テストコースと展示スペースを持つ)で試乗と車両細部の説明が行なわれた。試乗車は完成ウイング車の「パーフェクトクオン」3車型で、積載時の加速・ブレーキ性能を実感できるよう、7t程度のウェイトを積みGVW20tに調整してあった。あいにくの雨だったが、長い時間かけてじっくりクオンを見ることができる発表会だった。

AB8I0180.JPG
雨のなか、テストコースで3台の新型クオンに試乗!



●新型「Quon(クオン)」の特徴
・デザインはヘキサゴン(六角形)がコンセプト(キャビンの基本構造は現行型を引き継ぐ。「東京モーターショー2015」で発表されコンセプトカー「クオンVISION」に近いデザイン)

170418nagano001.jpg 170418nagano002.jpg 170418nagano003.jpg
左から、新型クオン、クオンVISION、クエスター。新型クオンのデザインはクオンVISIONに近く、またクエスターにも似ているが、クエスターは新興国向けヘヴィデューティ車で中身は異なる


・12段AMTは「ESCOT-Ⅴ」から「ESCOT-Ⅵ」に進化
 H型からI型のシフトゲートに。2ペダル
・内装の高級化

170418nagano005.jpg 170418nagano006.jpg
左が新型クオン、右が現行クオンのコックピット。センターコンソールは現行型の雰囲気を残している


・4本スポークハンドルにはオートクルーズとマルチディスプレイの操作スイッチ
・エンジンは11ℓのGH11。主力の380PSは10馬力アップして390PSに
・平成27年度燃費基準+5%を全車達成(カーゴ、ローリー、ダンプ、ミキサー)
 (前2軸、トラクタは未発表)
・シャシーを一新、架装性が向上
・軽量化で積載量アップ(ウイング車で200kg、ダンプで100kg)
・直結冷蔵仕様の冷蔵ウイングを設定
・ディスクブレーキ採用
・LED(ロービーム)ヘッドランプ
・テールライトがヨーロッパ風の可愛いものに(バックランプ2個の保安基準改正にも対応)

170418nagano004.jpg


・高剛性キャブ
・トラフィックアイブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が新基準に対応

170418nagano009.jpg
「トラフィックアイブレーキ」は2019年11月に施行される衝突被害軽減ブレーキの性能要件強化に対応。ミリ波レーダーとカメラの双方を利用して障害物を検知する


・先読み機能「フォアトラック(FORE TRACK)」
 GPSを通じ、一度走った道路の勾配を記憶、登坂手前の先読みシフトダウン等を行なう(60km/h以上、オートクルーズ使用時)
・省燃費運転アドバイス機能「燃費コーチ」=「燃費王」を進化
・テレマティクス通信機能「UDインフォメーションサービス」

●ドライバー目線でひとこと
・「ESCOT-Ⅵ」の発進の滑らかさは国産トラック随一(半クラッチが上手い)。
 さらに、車体を前後にスイングさせて雪道のスタック脱出もできるようになったという
・I型のシフトゲートはボルボのよう。好みは分かれるかも知れないが、Dモード使用前提なら操作しやすいハズ。シフトの任意操作+-コントロールはシフトレバー横にあるボタン
・排気ブレーキ(上)の操作を引き継ぐ(UD・ふそうが上、日野・いすゞが下)
 4段階(4段目はシフトダウン併用)、中央のパネルにインジケータが出る
・「ESCOT-Ⅵ」は加減速時にエンジン回転数が高めで、周囲に対して騒々しいのは気になるところ
・全車型、12段AMT「ESCOT-Ⅵ」と7段MTを選べる(420PSのマニュアル車は12段MT)
・センターコンソール周りは現行のままで、ビッグサムからのイメージを汲むが、UDならではのクール&ホットドリンクホルダー、ボックスはドライバーには嬉しい
・サイドミラーも現行型を引き継ぐ
・2段ステップ(キャビン乗降)
 国産トラックもハイキャブ化、3段ステップ化が進む中、乗降性・視認性を考えて、あえてキャブ高を抑え2段ステップにした(新興国向けのクエスターは3段ステップ。デザインこそ似ているが、ヘビーデューティー車でシャシーからして違う)
・片荷調整機能(エアサス車)=左右の車高差を自動調整(フォーク積み降ろし時も)
・逆止弁付き燃料タンク=2タンク車で満タンにしても坂道でこぼれない
・乗降時のグリップハンドルが上に延長された
 グリップハンドルをインパネ上端のラインより上に延長(以前は他社車両から乗り換えると、上方のグリップが無いので落ちそうになった)

170418nagano008.jpg
乗降用グリップハンドルがインパネ上端の上まで延長、乗降性がよくなった




コメントする