2014年9月26日 16:41
躍動する日本車王国 インドネシア・トラック紀行 その3
ジャカルタの交通渋滞の原因は、人口の増加と交通インフラの未整備に尽きると言いましたが、もちろんインドネシア政府も手をこまねいているばかりではありません。以下は、現地の邦人向け新聞「じゃかるた新聞」の受け売りなんですが、資金難で長らく工事がストップしていた都市高速鉄道МRT(マス・ラピッド・トランジット)の工事も昨年から再開されたそうです。このМRTの南北、東西両線が完成すると、1日100万人以上の乗客を運ぶことになります。МRTの第1期が稼働するのは2018年とのこと。
しかし、ジャカルタには1日700万人が流入し、200万台の自動車が走っており、今年は自動車の台数が道路面積を超える「グリッドロック」になると言われているんだとか。しかも皮肉なことに、渋滞を緩和することが目的のМRTの建設工事などの影響で、クルマの平均速度は現在の時速10~12kmから時速8~10kmになると予想され、まだまだ交通渋滞世界一の汚名返上とはならないようです。

では、そんな中、ジャカルタの「庶民の足」はどうなっているのか? 一番興味深いのは、BRT(バス・ラピッド・トランジット)という交通手段で、これは2004年に始まったバス専用レーンを走る大型路線バスです。「トランスジャカルタ」と呼ばれています。言ってみれば、次世代型路面電車であるLRT(ライト・レール・トランジット)のバス版もしくは簡易版という考え方だと思うんですが、専用レーンを設けて連接バスを主体とする大型バスを走らせることで、渋滞でも大量輸送を可能にした交通システムなんですね。乗り場は、道路の中央分離帯に設けられたプラットホームで、横断歩道橋を兼ねたアプローチからアクセスします。乗り場が高くなっているので、バスのドアはかなり高い位置に設けられており、日本のノンステップバスを見慣れた目には「お~!」と映ります。料金は時間帯によっても多少違うみたいですが、通常は一律3500ルピア(約35円)とか。バスは冷房付きで、何とかしてマイカーおよびマイバイクから公共交通機関のトランスジャカルタに乗り換えてもらおうという強い意図が見えます。

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渋滞を尻目にバス専用道路をスイスイ走るトランスジャカルタの連接バス(右側のバス)

当局もテコ入れしているし、このBRTのトランスジャカルタこそ現状では唯一の希望の星だと思うんですが、車両不足と一般車の専用レーンへの進入などで、必ずしも順風満帆というわけにはいきません。今年中に車両の台数を倍増して利便性を高めるそうですが、一般車の専用レーンへの進入は、イタチごっこかな? 罰金の額を高めて取り締まっているようですが、我々も何度も目撃したんですが、朝の通勤ラッシュ時は比較的守られていても、夕方の帰宅ラッシュで道路が渋滞すると、専用レーンを走り始めるバイクが続出。それを見て乗用車も専用レーンを走り始め、収拾のつかないことに......。頑張れ!トランスジャカルタ

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バイクが走っているのがバス専用レーン。ブロックなど仕切られています。ちなみにバスの前方は女性用車両とか。インドネシアはイスラムの国でもあります

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来ないときは全然来ないけど、来るときはダンゴ運転になることも......。運行管理や交通管制もも今後の課題かもしれない

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乗降ドアの位置にご注目。プラットフォーム状のバス停なので、その高さに合わせてあるんですね

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バス専用レーン内でも緊急車両の走行は許されているようです。その先に見えるのがバス停ですね

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夜の通勤ラッシュともなると、路肩走行ならぬ一般車の専用レーン走行もおおっぴらになります



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