2014年3月31日 14:16
日通総研、「2014年度の経済と貨物輸送の見通し」を発表
今日で3月も終わり、ということは2013年度も終わりです。ただでさえ忙しい年度末だというのに、明日からの消費税値上げを前にしたいわゆる「駆け込み需要」で、物流を担うトラック輸送業界は、総じてこのところ超繁忙期に突入。トラックドライバーからも「半端じゃないほど忙しい!」という声も多く聞かれます。じゃ、明日からの2014年度はどうなるの? トラック輸送はどんな状況になるの? っていう話になると思うのですが、ちょうど㈱日通総合研究所から「2014年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」が3月27日に公表されたので、勉強するいいチャンス。ちょっとむずかしい話だけど、以下にその概要を掲載します。


【経済】
●世界経済は総じて持ち直しに転じているものの、当面、米国の量的金融緩和策(QE3)からの転換が、新興国経済を不安定化させるリスク要因となる状況が続こう。米国経済は、2014 年1~3月期も引き続き寒波の影響から、やや力強さを欠く展開が見込まれるが、歳出削減による下押し圧力が緩和に向かうとみられるほか、家計のバランスシート調整の進展などを背景に回復基調を堅持しよう。底堅い雇用情勢を反映して、今後も個人消費や住宅投資が回復に向かうなか、民需主導で徐々に成長テンポを高めていく。FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)によるQE3の規模縮小に向けての動きが続いており、今秋にも終了する見通しであるが、事実上のゼロ金利政策は引き続き継続されよう。ユーロ圏経済は、緩やかながらも回復基調を持続しよう。緊縮財政の影響で南欧諸国の景気回復テンポは緩慢とならざるを得ないが、ドイツを中心に緩やかな回復軌道を辿り、14年は小幅ながらも3年ぶりのプラス成長に転じる。ECB(欧州中央銀行)の金融政策スタンスは、ディスインフレ(物価上昇率が低くなり、インフレが抑えられている状態)のもと、さらなる追加緩和も視野に入れつつ、当面、現状の超低金利政策を維持するものとみられる。中国経済は、引き締め気味の金融政策と機動的な財政政策によって、7%台半ばの安定成長の実現を目指すこととなろう。政府当局による投資の抑制が継続されるものの、先進国経済の回復を背景とした輸出の持ち直しに期待が寄せられる。ただし、シャドーバンキングや地方との経済格差等、難しい問題への対応を迫られよう。
●日本経済の足元、2013年10~12月期の国内総生産(GDP)は、物価の変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.2%増、年率換算で0.7%増と4四半期連続のプラス成長になったものの、前期(年率0.9%増)に比べると伸び率は鈍化し、市場予想を下回る水準にとどまっている。個人消費をはじめとする国内需要は堅調に推移する一方、輸出の伸び悩みを背景とした外需の落ち込みが成長率を押し下げる結果となった。14 年1~3月期は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要が本格化するため、前期比年率5%程度の高成長が見込まれる。これに対して、14年度については、駆け込み需要の反動と消費税率引き上げによる負担増・実質所得低下の下押し圧力が強まるため、成長率の鈍化が避けられそうにない。もっとも、①13年度補正予算に基づく経済対策の実施により公共投資が高水準を維持すること、②海外景気持ち直しを背景とする輸出の増加、③企業収益改善による設備投資の増加、④雇用・賃金の改善傾向の定着、などが見込まれることから、景気後退局面入りは回避されよう。こうしたなか、13年度2.2%増のあと、14年度は0.6%増と前年度の伸びを下回る小幅な成長にとどまろう。なお、14年度については、世界経済の回復テンポの高まりや円高是正に伴う価格競争力の回復等のプラス材料が見込まれる。ただし、生産拠点の海外移転といった構造的な下押し要因から、従来のような輸出増への過大な期待はできない。個人消費や住宅投資が前年度水準を下回ることに加え、高水準にはあるものの公共投資の増勢が大幅に鈍化するといった内需の減速に直面するなか、景気の腰の強さが試される局面を迎えることになろう。

【国内貨物輸送】
●2014年度の国内貨物輸送は、前年度に発生した駆け込み需要の反動に加え、消費増税に伴う国内民需の減退などが輸送量を大きく下押しすることとなろう。消費関連貨物は、日用品などを中心に年度を通して水面下の推移が見込まれ、トータルでは1.7%減と低迷するものとみられる。建設関連貨物も、公共投資が引き続き高水準を維持するものの、民間住宅や非住宅部門の建設需要の落ち込みなどから5%台のマイナスとなろう。一方、生産関連貨物については、自動車の需要が落ち込むほか、鉄鋼や化学工業品にも小幅ながら減少が見込まれる一方で、堅調な設備投資などを受けて一般機械はプラスを維持し、紙・パルプなどにも若干の増加が期待できることから、0.6%増と小幅ながらプラスの伸びになるものとみた。こうしたことから、総輸送量は2.4%減となり、全輸送機関において輸送量の前年度水準割れは避けられないであろう。
●輸送機関別にみると、JRコンテナは、自動車からの需要のシフトの動きが続くなかで、1%台の伸びとなろう。一方、JR車扱は、石油の需要減に加え、セメント・石灰石も頭打ちとなるため7%台の減少が予測され、その結果、JR全体では1.2%減と3年ぶりのマイナスに転じよう。その他の鉄道は、石油需要の減退、セメントや石灰石の減少などにより、4.5%減になるものとみられる。営業用自動車は、生産関連貨物には小幅な伸びが期待できるものの、消費関連、建設関連貨物の停滞を受けて1.9%減と低調に推移しよう。また、自家用自動車については、全品類において水面下の推移が避けられないことから、3.7%減と低迷しそうである。内航海運は、主力である石油製品に減少が見込まれるほか、建設関連貨物の不調もあって1.6%減となろう。国内航空は、景気の減速を受けて1.5%減と3年ぶりのマイナスに転じるものとみた。

【国際貨物輸送】
●外貿コンテナ貨物(主要9港)の輸出は、2013年度下期に入り増加傾向を示しているものの、その回復力は力強さをやや欠いていることから、13年度の輸送量は、ほぼ前年度並みの水準にとどまりそうである。一方、14年度については、世界経済が堅調な拡大基調を辿ることを背景に、プラス成長が期待できるが、生産拠点の海外シフトが進行していることもあって、伸び率は頭打ちとならざるをえない。品目別では、一般機械、電気機械、自動車部品など機械機器類が全般的に底堅さを示すほか、化成品も好調さを堅持するものと見込まれる。こうしたことから、輸送量全体では2.8%の増加になるものとみた。輸入については、設備投資が堅実に推移することから、機械機器類は増勢を維持しそうであるが、主力貨物である消費財は、消費増税の影響で消費マインドが冷え込むため、食料品をはじめ、これまで堅調であった衣料品も弱含みそうである。さらに、1~3月期は駆け込み需要の反動も下押し要因となることから、全体では1.7%減になるものと予測した。
●長らく低迷していた国際航空の輸出は、2013年度下期になってようやく荷動きに改善の動きがみられるようになり、とりわけ1~3月期は10%近い伸びとなる見込みだ。14年度についても、世界的な需要拡大を背景にプラス基調を辿るものと予測される。路線別では、回復が遅れていたアジア線で、自動車部品の増加に加え電子部品の持ち直しが期待される。また、太平洋線、欧州線については、下期に自動車部品の息切れが懸念されるものの、一般機械等が着実に推移しそうである。こうしたことから、全体では3.5%増と4年ぶりの増加に転じよう。輸入については、機械機器類には横ばいの推移が見込まれるものの、消費増税に伴う個人消費の落ち込みが影響し、消費財は水面下の推移が避けられない。特に下期は、駆け込み需要の反動減も加わって減少幅が拡大することから、年度全体では3.7%の減少となろう。

【企業物流短期動向調査(速報)】
●2014年1~3月実績(見込み)の国内向け出荷量『荷動き指数』は、前期(2013年10~12月)実績より12ポイント上昇して+31と、本調査を開始した2002年以降では最高値となった。一方、4~6月見通しでは、駆け込み需要の反動減などを受け、40ポイント低下して△9まで下降する見込みである。
●2014年1~3月実績(見込み)の業種別『荷動き指数』をみると、15業種中、精密機械が唯一マイナスを示し、残り14業種が2ケタのプラスとなった。4~6月見通しでは、窯業・土石が唯一プラスで、金属製品がゼロ水準にとどまる以外は、残り13業種がマイナスを示す。前期(1~3月)実績との比較では、精密機械に小幅な改善がみられる一方で、残り14業種では大幅に悪化する見通しである。
●2014年1~3月実績(見込み)の輸送機関別『利用動向指数』は、すべての輸送機関において前期(2013年10~12月)実績よりも上昇し、国内航空以外の輸送機関では引き続きプラスとなった。一方、4~6月見通しでは、すべての輸送機関において『利用動向指数』が前期(1~3月)実績よりも悪化し、かつすべての輸送機関でマイナスになるものとみられる。
●2014年1~3月実績(見込み)の輸出入貨物量『荷動き指数』は、すべての輸送機関においてプラスとなった。前期(2013年10~12月)実績と比較すると、外貿コンテナの輸出で弱含んだものの、それ以外の輸送機関では改善がみられた。4~6月見通しでは、すべての輸送機関において前期(1~3月)実績よりも悪化し、かつすべての輸送機関で小幅ながらマイナスに転じる見通しである。

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