2012年4月11日 14:07
元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.49

トラックドライバーの誇り その47

下限運賃制度(最低運賃制度)が出来たとして、それがどのような変化を運送業界にもたらすか、その辺を考えたいと思います。
前回の例を踏襲しますが、長距離輸送だけで毎日5台のトラックを必要としている荷主の場合、10台を保有している運送会社だけでは毎日休みなくトラックを走らせなければなりません。一日目に5台が出発した後、二日目に走れるトラックは5台です。そして、三日目には一日目に出発したトラックが帰って来るのを待ち、積み込ませるという形になります。それでは、過労運転の状態が続いてしまうのは今までと同じになります。
ですから、15台保有している運送会社と契約すると私は単純に考えたわけですが、実際の運行では常時3分の1のトラックを遊ばせとくというわけにはいきません。大きな無駄が生じてしまいます。
しかし、そこは夜ゆっくり眠れる状態の地場を絡ませたり、市内の配達を入れたり、と工夫が必要でしょう。

さて、実際に皆さんが荷主として考えた場合、どのような運送契約をしますでしょうか。ある程度自社のトラックを保有しているところでないと下限運賃だけでは済みません。水屋に依頼すると、その分余分な負担が生じます。
つまりは、ある程度自社便を持っている会社と契約し、その分を下限運賃で済ませ、足りない分を手配してもらい余分な金額を負担する、これが一般的な考え方でしょう。または、下限運賃の会社と複数契約するかです。しかし、その場合、暇な時にはトラックに余剰が出てしまいます。それでは運送会社の経営が成り立たなくなりますので、運送会社の方が離れるかもしれません。

結局のところ、現在頼んでいる運送会社が自前でトラックを持ち、なお且つトラックの手配も出来る会社ということになります。ということは、仕事の流れそのものはそんなに変わらないと思います。しかし、下限運賃を設定することによって、荷主の負担は大きく減るはずです。今まで手配するたびにピンハネされていた大きな金額が不要になるからです。
どんな大手の運送会社であっても、また、中規模の会社であっても、零細業者であっても、自社便で走る限り、下限運賃が適用されるからです。
自社便で足りない分だけ、荷主負担でトラックを手配する......、運賃の流れが簡素化される分、荷主の負担はこれまでよりもかなり減るでしょう。
今まで、この運賃じゃとても......。そんな金額で走らされていた運送会社にとっても、下限運賃を設定することによって、健全な経営が成り立つでしょう。では、水屋に力を入れていた運送会社はどうなるのか。次回はその辺に焦点を移したいと思います。

トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/

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