2012年1月29日 10:19
元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」 No.14
トラックドライバーの誇り その12
 
重量×速度=破壊力(衝撃力)に対して、かかる時間を積分したものを力積というのだけど、実質的には前回のブログで説明した通りだ。高校の物理で習うことなので、ここで私がこれ以上詳しく書くこともないと思う。
実際にトラックの運転では、どんなことなのだろうか......。経験のある方はすぐに分かると思うが、大事なことなので一応説明したい。

同じ重量を積み、同じ速度で運転している際、加速をしている時に、何かにぶつかった場合とブレーキを踏み減速時にぶつかった場合では、どちらが衝撃は大きいだろうか? また、下り坂で同じ速度で走っていた場合と上り坂の場合を考えてほしい、どちらが衝撃力は大きいだろうか? 経験上すぐに分かる方が多いと思うが、いずれも前者である。
つまり、加速中は力がそのまま温存された状態で衝突するので、衝突時にかかる時間が長くなる。また下り坂の場合、重力により引っ張られる力がかかっていて、上り坂と同じ条件でブレーキを踏んでも衝撃力は大きい。つまり地球の重力という力が余分な時間効いているのである。
簡単にいえば、路面が同じ状態ならば、ブレーキの利き具合が悪い状態の時は力積の力がかかっているといってよいと思う。

そして、その最も大きな影響にあるのが、ノーブレーキの衝突ではないだろうか? 
走っていて「ぶつかる!」と急ブレーキをかけた時は、同じ80km/hで走っていても衝突時はかなり減速されているし、衝撃力も緩和される。だが、ノーブレーキの時は、80km/hそのままの破壊力と先ほど説明した力積までが加わり、大きな破壊力、つまり衝撃力を生む結果になってしまう。その結果が悲惨な死亡事故となって表われるのだ。
その一番顕著な例が高速道路での多重事故で、必ずといってよいほどトラックが絡んでいる。これはもう皆さん自身がニュースで耳にすることだろうし、また、これがあるからトラックの事故が多いと誤解を生んでいるのである。
まだまだ、次回もこの続きを書きたい。

トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
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