2011年10月27日 18:01
三菱ふそうが開発中の大型ハイブリッドトラックをめぐって その2

スーパーグレート エコ ハイブリッドのシステムの特徴

パラレル方式のハイブリッド車の燃費向上のメカニズムは、熱エネルギーとして排出される制動エネルギーを回生エネルギーとして充電、推進エネルギーとして、回生エネルギーを有効利用するというものだ。そこで、これまではハイブリッドトラックと言えば、発進・停止の頻度が高い小型トラックが「常識」とされていたわけで、一方の長距離輸送用の大型トラックは、高速道路を一定の速度で走行することが多いため、これまでほとんどハイブリッド化が顧みられることはなかったのである。
しかし、大型トラックは車両総重量が極めて重いため、道路の少しの勾配、あるいは道路状況のちょっとした変化でも、運動エネルギーが大きい分、それを回生エネルギーとしてバッテリーに充電できるチャンスが相応に大きいのではないか、すなわち大型トラックのハイブリッドも成立するのではないかと、三菱ふそうの開発陣は考えた。こうして「スーパーグレート エコ ハイブリッド」の開発がスタートしたのだ。

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スーパーグレート エコ ハイブリッドのシステムは、キャンター エコ ハイブリッドのそれを踏襲しており、もちろんパラレル方式だ。パラレル方式は、①エンジンとモーター兼発電機の両方で車両を駆動。②ベース車の駆動系の変更が少なく、コストアップの抑制が可能。③エネルギーの変換ロスが少なく、一定走行時にも低燃費を実現。④制動エネルギーの回生効率はシリーズ方式に比べて劣る。⑤主に汎用性の高い小型トラック等で使用されている......などの特徴がある。
ちなみに三菱ふそうには、現在は販売を一時中止しているが、シリーズ方式の「エアロスター エコ ハイブリッド」もある。しかし、シリーズ方式に比べパラレル方式は、比較的広い範囲を走行する車両に適し、幅広い用途に用いられても柔軟に対応でき、燃費低減効果を発揮することからも、パラレル方式を選択したという。

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スーパーグレート エコ ハイブリッドでは、一定速でのエネルギーをいかに回生させるかに着目し、キャンター エコ ハイブリッドの開発・生産の経験を踏まえ、バッテリー、モーター、インバーター等のコンポーネントの仕様を決定。これらをいかにコントロールするかハイブリッド制御の技術に腐心している。
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ちなみにハイブリッドのシステム構成も、これもキャンター エコ ハイブリッド譲りだが、モーターをクラッチとトランスミッションの間に挟んだP2ハイブリッドシステムを採用。エンジンのフライホイール側にモーターを置くP1ハイブリッドに比べ、クラッチを切り離すことで、エンジンからの影響を受けずに駆動系からの回生エネルギーを最大限バッテリーに蓄えることができるシステムである。
なおエンジンは、ノーマルのスーパーグレートと同様、12.8リットル直列6気筒の6R10型エンジンが搭載され、トランスミッションも12段のAМT「INOМAT-Ⅱ」を採用しており、今のところ「Blue Tec」システムもそのまま採用している。<つづく> (キャップ)

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