2011年6月30日 11:00
ビンボー運ちゃん青春記 第三部 オーバーロード篇

過積載ダンプの負の構図

過積載ダンプカーの危険性ばかり取り上げたが、それは彼らばかりの責任ではなかったと思う。
まず、運賃という点について考えてみたい。当時、ダンプカーが主として運んでいる残土は、1トンあたりの運賃が約1000円程度であった。つまり、10トン積んでも運賃は1万円程度にしかならない。この運賃は長年にわたってほとんど変わっていない。
しかも残土を処理できる場所は、どんどん遠距離化している。以前は1日で3往復できたところが、2往復しかできなくなる。しかもそれに、年々ひどさを増す交通渋滞が輪をかけてのしかかる。1日2万円の運賃では、1カ月働いても50万円程度にしかならない。
それに対して、ダンプカーの価格は性能に合わせて上がっている。現在は大型ダンプカー1台の価格は標準的なもので1500万円くらいになっている。ダンプカーの運転手は、個人営業の白ナンバーが多い。彼らがローンを組む場合には、3年の36回・均等払いで組むのが一般的で、その場合の月々の支払いは、40万円~50万円になる。それに月々の固定経費(燃料代、保険料など)を加えれば、おのずと彼らが月にどれだけの売り上げを上げなければならないかがわかってくる。
しかし先ほども書いたように、ダンプカー運転手を取り囲む状況は日に日に厳しくなっていく。運送回数をこなして運賃をあげることが難しくなれば、残された道は過積載しか残されていなかったわけだ。 (山高一浩)

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